(2023年11月28日)

11月に入り、急激に冷え込むようになりました。暑かった夏がウソのようです。

 

冬タイヤへの交換もすみ、年末に向けた準備も進んでいると思いますが、今の季節に気を付けて欲しいのが「血圧」です。

 

朝晩の寒さは、血圧を上昇させてしまいます。

 

診察していても、いつもより10mmHgほど、患者さんの血圧が高く出ています。


寒さと血圧の関係

寒さは体に様々な影響を与えます。

 

冷えると表面の血管が縮こまり、体温を下げないようにします。その時、血圧が上昇します。

 

また寒さは交感神経を刺激し、血圧を上げます。

 

そのため冷え込んでくるこの季節には、いつもより血圧が上がり、脳卒中や心臓病が起きやすいのです。

 

ではどのような対策を取れば良いのでしょう?

厚着では高血圧を予防できない?

カラダを冷やさないためには、温度と衣服が大切です。

 

おもては寒いため、暖かい格好で出かけると思います。

 

家の中も、暖房で温めているでしょう。

 

でも、その室温で十分なのでしょうか?

 

灯油の値上げもあり、いつもより低い室温のまま過ごしていませんか?

 

WHOでは室温を18℃に保つよう勧めています。

 

しかし実際測ってみると、18℃を上回っている都道府県はたった3つです。

 

東北地方は軒並み16℃〜17℃でした。

 

「部屋の中でも厚着をすれば大丈夫」

 

本当でしょうか?落とし穴があります。

 

衣服からむき出しの手足が冷えると、毛細血管が縮んで、血圧が上がってしまいます。

 

そのため、部屋全体の気温を保つことが大切なのです。

室内温度の重要性

高齢者は、室温が1℃下がると血圧が1mmHg上がると言われています。

 

特に朝、起きるときには部屋が寒いと血圧が上がりやすく、脳卒中や心臓病が起きやすくなります。

 

タイマーで部屋を暖かくしたり、家の断熱を見直したりして、室温を快適に保つことが大切です。

 

国土交通省が出している「あたたか住まいガイド」のリンクを挙げておきます。

 

あたたか住まいガイド

まとめ

山々は白くなり、冬将軍もすぐそこまで来ています。

 

でも、寒さ対策はまだ間に合います。

 

血圧が上がって脳卒中や心筋梗塞になると、生活の質が落ちてしまいます。

 

予防がとっても大切です。

 

高血圧で通院中のヒトは、主治医とも相談してください。

 

血圧上昇を予防して、これからの季節を乗り切りましょう。