頭痛は、命に関わるものから軽症のものまで、様々です。軽症のものでも日常生活に支障が出ることもあるため、適切な診断と治療が必要な場合が多くみられます。
対応を急ぐ頭痛
●突然「ガーン」と殴られたような頭痛
●時間とともに痛みが強くなり、5分以内に最大となる頭痛
●今までの人生の中で、最悪の頭痛
●頭痛と同時に麻痺が出たり、ろれつが回らない時
くも膜下出血や脳卒中の可能性がありますので、すぐに脳神経外科のある大きな病院での診療が必要です。場合によっては救急車を呼んでください。
上記以外で、頭痛でお困りの方はどうぞお気軽にご相談ください。なお、交通事故、外傷などによる頭痛は専門性が高いため、整形外科や脳神経外科を受診してください。
頭痛専門医のいる山形市内の開業医はこちらです。
嶋北内科脳神経外科クリニック
頭痛の問診には時間がかかります。午前外来は患者さんの数が多く、頭痛についての問診が十分出来ないことがあります。
予約は不要ですが、午後外来の早めの時間に来院していただけますと、助かります。
慢性頭痛のなかでは二番目に多いのですが、受診する人数は最も多い頭痛です。
一般住民の中で、男性の4〜6%、女性の12〜14%の人が片頭痛を持っているといわれています。
頭痛のため日常生活ができなくなる事もありがながら、なかなか他の人に痛さを理解してもらえず、つらい思いをすることも多いです。
以下のような特徴があります。最近は効果の高い薬もありますので、一度受診なさることをお勧めします。
1)女性に多い(もちろん男性もいます)
2)親も片頭痛のことが多い
3)思春期頃から発病する事が多い
4)「ズキン、ズキン」「ドクン、ドクン」と、脈打つように響く
5)頭痛の最中は、臭い、まぶしい光、鋭い音が苦手
6)吐き気を伴う事が多い
7)女性の場合、月経周期に一致することがある
月経の直前や排卵後には、エストロゲンという女性ホルモンが低下します。そのため片頭痛が起こる人がいます。
月経周期と関係するような片頭痛の時には、月経痛や更年期障害で使う漢方薬が効果的な場合があります。
多くの人では、妊娠中は片頭痛がなくなるか、軽くなります。しかし妊娠中にもひどい片頭痛がみられることがあり、その時には治療薬を注意して選ぶ必要があります。
妊娠中の片頭痛には、アセトアミノフェンが良く使われます。また漢方薬を使うこともあります。それでも治まらないときには、スマトリプタン(商品名イミグラン)が使われます。
授乳中も、アセトアミノフェンやスマトリプタンを使うことが多いのですが、スマトリプタンを使ったときには、その後12時間は授乳を避ける必要があります。
いずれにせよ、診察を受けて相談して下さい。
なお、妊娠中・授乳中のクスリに関する情報は、「妊娠と薬情報センター」にわかりやすく載っています。
片頭痛は飲み薬や点鼻薬で対応することがほとんどです。
一部注射薬で対応することもあります。
多くの人はイブやバファリンなどの市販の痛み止めや、医院からもらったクスリを使うと思います。1ヶ月に数回程度の頭痛で、痛み止めで治まるようなら、問題ありません。
しかし市販の痛み止めが効かないとき、あるいは何回も使わなければならないときは、問題になります。
通常の痛み止めは炎症(腫れ)を押さえて「痛みを感じにくくするクスリ」です。つまり、片頭痛が治まるのを待っているわけです。
それに対して「トリプタン製剤」と呼ばれる片頭痛用のクスリは、片頭痛の原因そのものに働いて、痛みを鎮めます。
とても良い薬ですが、現在5種類のクスリがあり、どのクスリが本人に合うか、試してみる必要があります。
血圧が高い方は、しっかりと血圧を下げてから使う必要があります。また特殊な片頭痛には使えないため、病院や診療所で診察を受けて、処方となります。
頭痛薬を使う回数が増えてきた・効かなくなった、または、頭痛の症状が強いときには、片頭痛の予防薬を考えます。
なかなか片頭痛をゼロにすることは出来ないのですが、回数を減らしたり、症状を軽くしたり出来るようになることが多いです。
様々なタイプの予防薬がありますので、片頭痛がひどいときにはご相談下さい。
片頭痛は多くの場合、吐き気を伴います。これは気持ち悪さとともに、痛み止めの効きを悪くする大きな原因となります。
吐き気止めを早めに用いると、気持ち悪さが軽減できるとともに、痛み止めの効きを正常化します。
周りの状況が許せば、数時間寝てしまうのが良い治療法となります。普段から片頭痛を起こしにくくするためには、まず規則正しい生活を心がけましょう。
寝不足、週末の寝だめは、いずれも片頭痛を起こしやすくします。日常生活でストレスがかかると片頭痛は起きやすくなるため、上手にストレスを解消する方法を見つけて下さい。
また、自分の頭痛がどのようなきっかけで起こるのかを知ることも、大切です。頭痛ダイアリーを利用して普段の生活を振り返ることを、お勧めします。
→日本頭痛学会・頭痛ダイアリー(PDF書類なので印刷が必要です)
なお、スマホのアプリでも、頭痛経過を記録できるものが出ています。
慢性頭痛の中で最多で、いわゆる「ふつうの頭痛」と表現されることが多いものです。
片頭痛と異なり「ギュー」と持続的な痛みがみられます。肩や首筋のコリを伴う方が多く、風呂で温まると楽になることも特徴です。
精神的ストレスなども、原因となることがあります。
治療としてはまず、肩のこりをほぐす「頭痛体操」を、お勧めしています。内科的な治療としては、痛み止め、筋肉の緊張を和らげる飲み薬や、シップを用います。
「人類最悪の痛み」といわれる激痛が特徴です。「痛みで死ぬかと思った」と話す患者さんもいます。
男性で高身長な方に多く、左右どちらかの目のあたりに痛みがあり、痛い側で目の充血、涙、鼻水を伴うことがあります。激痛のためじっとしていられず、動き回るのも特徴です。
効果の高い薬がありますので、受診なさることをお勧めします。なお、群発頭痛に似ている、別の頭痛もあり、治療法が異なります。
薬物乱用頭痛とは、片頭痛などのために飲んでいた頭痛薬の量が多くなり、結果的に頭痛がひどくなる状態です。
片頭痛などは大変つらい頭痛であり、痛くなり始めると、頭痛の不安から、どうしても早め早めに頭痛薬を飲んでしまう傾向があります。
その結果、頭痛薬の量が増えて、薬による新たな頭痛がみられ、それを押さえるためにまた頭痛薬を飲む、という悪循環に陥ることがあります。
薬剤乱用頭痛は市販薬で起こりやすいという特徴があります。
このような頭痛の場合は、予防薬と薬剤乱用になりにくい頭痛薬の組み合わせで治療することが多いです。是非受診してください。
人数は少ないながら、次のような頭痛もあります。
皮膚の表面を一瞬電気が走るような、「ズキー」とした痛みが特徴です。耳の後ろのあたりによくみられ、一度起こると繰り返すため、非常に不快です。
くも膜下出血などを心配し、来院する方もいます。治療は痛み止めのほか、ある種のビタミン剤が効くことがあります。
神経に沿って水ぶくれができ、とても痛い皮膚の病気です。頭皮にみられると、頭痛となって現れます。
帯状疱疹の治療が頭痛の治療となりますので、痛い部分に「ブツブツ」が出たときは、なるべく早く皮膚科などを受診してください。
我慢していると、あとあと長く痛みが残ることがあります。
暑いなかで作業した後など、脱水状態から起こる頭痛です。また、頭を打ってしばらく後にみられることもあります。
脳を支えている髄液の圧力が下がり、「ズキズキ」とした痛みがみられます。横になると頭痛が減少し、起きあがると悪くなる、という特徴があります。
治療は水分補給です。熱中症対策を行うことが、結果的にこの頭痛の予防になります。
かぜ、副鼻腔炎(蓄膿症)、脳腫瘍、脳卒中、緑内障などでも頭痛を認めることがあります。また、おたふく風邪などでも、髄膜炎から頭痛を認めることがあります。
頭痛が続いている場合、一度脳CTや脳MRIをお勧めしています。
きついゴーグルをはめた後の頭痛や、アイスクリーム頭痛(寒冷刺激)、ひげそりによる頭痛、性行為(セックス)に伴う頭痛などが有名です。