脳卒中はまだまだ日本で多く、寝たきりになる病気の第一位、死亡原因の第三位です。脳卒中になると後遺症のため、日常生活で不自由を感じるようになり、家族の負担が増加します。また認知症になるリスクも高まります。
脳卒中の種類
1)脳梗塞
動脈硬化により、脳の血管がつまる病気です。脳卒中の中では最も多く、全体の75%を占めます。
2)脳内出血
血管が破れ、脳の中に出血する病気です。
3)くも膜下出血
脳の外側にある「くも膜」の下の血管が破れ、出血する病気です。「バットで頭が殴られたような」頭痛が特徴ですが、ごく軽い頭痛のこともあります。40−50歳代といった、若い人でも起こることがあります。
4)一過性脳虚血発作
一時的に脳の血管が詰まり、麻痺などが出ますが、すぐに消失する病気です。脳梗塞の前兆ですので、脳卒中と同じ対応が必要です。
脳卒中の症状
1)麻痺
左右どちらかの手足が、動かなくなります。
2)呂律が回らない
口が動かしづらくなるため、上手く話せなくなります。また、よだれが口の脇からたれてくることもあります。
3) 頭痛
今までにないくらいひどい頭痛なら、くも膜下出血の可能性があります。
4)気を失う
意識がなくなったり、急にいびきをかいて、寝てしまったように見えることもあります。
脳卒中の治療
なるべく早く(3時間以内)クスリでつまった血管を通したり、脳の状態を悪くしないようにクスリを使ったりします。脳出血やくも膜下出血の時には、場合によって手術も行います。
脳卒中を疑ったら
すぐに救急車を呼びましょう。具合の悪くなった時刻を、救急隊に教えてください。自家用車やタクシーで病院に行くと時間がかかってしまい、状態が悪くなります。脳卒中は寝ていても治りません。
「急にいびきをかいたら、動かしてはダメ」という言い伝えは、昔のものです。ぐずぐずして時間を無駄にすると、その後一生後悔をすることになります。
本人は「大丈夫」と病院に行くのを嫌がることがよくありますが、周りの人の判断で、無理にでも救急車を呼びましょう。また、麻痺などが良くなっても、必ず病院にすぐ行ってください。脳卒中の前兆かもしれません。
脳卒中の予防
1)血圧コントロール
病院での血圧が140/90mmHg以上になると、脳卒中になる確率が増えます。現在治療中の人は、治療を継続しましょう。
2)禁煙
タバコは脳卒中を増やし、禁煙はその危険性を下げます。
禁煙については、こちらをご覧ください。
→禁煙成功の3つのコツ
3)定期的な運動
運動習慣のある人は、ない人より6割程度脳卒中の危険度が少なくなります。
4)健康診断をきちんと受ける
脳卒中の危険を高める高血圧、糖尿病、高コレステロール血症、心房細動(不整脈)を早めに見つけ、早めに治療しましょう。
5)サケを控える
サケの量が増えると、脳卒中の危険も増えます。適量は日本酒換算で1合未満です。
6)太りすぎの解消
太りすぎは、動脈硬化を早く進め、脳卒中の原因となります。
脳卒中は一旦起きてしまうと、その後の生活がとても大変になります。おかしいと思ったらすぐに救急車を呼びましょう。また、予防に勝る治療はありません。生活習慣を見直し、脳卒中を起こさないようにすることが大切です。