(2023年9月2日)

夏は血圧低下に注意:脱水と血圧の落とし穴

皆さんこんにちは。山形市はまだまだ暑い日が続いています。クリニックで日々患者さんの診療を行っていますが、夏になると思った以上に血圧が変動する方が増えてきます。

 

今回は、高血圧患者が夏に注意すべきことについて、お話ししたいと思います。


こんな人がいます

普段は外来血圧110/60mmHgの患者さんが、暑い日に外来で測ると90/40mmHg!患者さんも軽いふらつきを自覚していました。

 

血圧のクスリは変わっていません。どうしてこんなに下がってしまうのでしょう?

高血圧患者が夏に直面するリスク

夏は暑さで汗をかくことが多く、その結果、体内の水分が失われやすくなります。

 

この脱水状態が高血圧患者にとってどのような影響をもたらすのか、具体的に見ていきましょう。

脱水と血圧の関係

脱水状態になると、血液の量が減少します。これにより、血液が血管を流れる際の圧力、つまり血圧が下がる可能性があります。

 

高血圧治療を受けている方は、薬の効果と脱水の影響が合わさり、予想以上に血圧が低下する時があります。

 

冒頭の患者さんも、かなり汗をかいたと話していました。

高血圧患者が夏に注意すべきポイント

1. 水分補給を怠らない

 

暑さでの汗の量は予想以上に多いもの。こまめに水分を取ることで、脱水を予防しましょう。

 

ただし、心臓病の方は水分摂取に注意が必要なため、かかりつけ医と相談してください。

 

2. 塩分の取りすぎに注意

 

夏はいっぱい汗をかくから、と、つい塩分を多く摂取してしまうことがあります。しかし、汗に含まれる塩分はあまり多くありません。特別な場合を除いて、追加の塩分摂取は必要ありません。

 

また山形は日本トップクラスの塩分摂取県。塩分は血圧を上げる要因となるため、摂取量には注意が必要です。

 

3. 薬の内容や量を見直す

 

クスリの中には、塩分や水分をカラダから出すことで、血圧を下げるモノもあります。さらに種類によっては、脱水により効果が強まる事もあります。

 

クリニックでは夏の体調や生活リズムの変化に合わせて、薬を変えるコトもあります。ただし自己判断はキケンですから、かかりつけ医と相談しましょう。

まとめ

高血圧の方は、暑い時期には脱水による血圧の低下に特に注意が必要です。日常生活の中で水分補給を怠らないよう心掛け、かかりつけ医とのコミュニケーションを大切にして、暑い時期を乗り切りましょう。

 

皆さんの健康を心から願っています。

 

→高血圧外来