不整脈には、経過観察で良いものから命に関わるものまで、様々な種類があります。当院では豊富な知識と経験をもとに、不整脈でお悩みの方へ、検査、治療、日常生活のアドバイス及び専門施設への紹介を行っております。予約は不要です。
また、アップルウォッチで心電図を記録してきた方の診察も、行っております。
心室と呼ばれる、心臓の下の方から出る不整脈です。経過観察で大丈夫なことが多いのですが、次の場合は治療が必要です。
1.心臓の動きが弱っているとき、
2.運動時に心室性期外収縮が増えるとき、
3.連続して見られるとき、
4.心室性期外収縮による自覚症状が強いとき。
心房と呼ばれる、心臓の上の方から出る不整脈です。経過観察で大丈夫なことが多いのですが、以下に説明する心房細動に移行するときには治療を考えます。
心房が無秩序に動くため、脈がバラバラになる不整脈です。心房細動と正常な脈を繰り返す発作性心房細動と、心房細動のまま固定している持続性心房細動があります。年を重ねるに従ってこの不整脈の人は増えてゆきます。
心房細動だけで命に関わることはほとんどないのですが、
1.脈が速くなりすぎて心不全になる
2.脈が遅くなりすぎてめまいなどが出る
3.心臓の中に血のかたまり(血栓)ができて、脳梗塞を起こす
といった合併症が見られることがあり、治療が必要です。
たまに心房細動を起こす方の場合、最近では、「カテーテルアブレーション」という方法で、心房細動を根治(完全に治す)できる場合もあります。
心房が1分間に約300回で動き、その1/4〜1/2が心室に伝わるため、脈は75〜150回/分となる不整脈です。心房細動同様に発作性のものと持続性のものがあります。
やはり脳梗塞、心不全の合併症の危険性があり、治療が必要です。この不整脈も、カテーテルアブレーションで根治できる場合があります。
略してPSVTと呼ばれます。心臓が規則正しく120〜180回/分で動く不整脈です。ほとんどは突然始まり突然終わります。専門的には
1.房室結節回帰性頻拍(AVNRT)
2.房室回帰性頻拍(AVRT)
3.心房頻拍(AT)
が代表的です。
AVNRTは房室結節と呼ばれる心臓の真ん中にある部分で異常な電気回路ができあがるため、脈が速くなるものです。
AVRTはWPW症候群の人で見られることがある不整脈です。ATは心房の異常興奮や異常な電気回路から見られる不整脈です。
いずれも発作時には動悸を訴えることが多く、治療の対象になります。最近はカテーテルアブレーションで、これらの不整脈を根治できる場合もあります。
心室が無秩序な動きを示し、血圧がゼロになり、なるべく早く電気的除細動を行わないと死亡する、恐ろしい不整脈です。急性心筋梗塞、心筋症などの心臓病の人に起こることが多い不整脈です。
しかしそのような心臓病がないにもかかわらず突然心室細動が起こる、特徴的な心電図所見を示す一群があり、Brugada症候群(ブルガダ症候群)と呼ばれています。
正常なリズムである洞調律の脈が速い場合に洞頻脈といい、遅い場合に洞徐脈といいます。隠れた病気がないか、調べる必要があります。